2013年5月26日バーディバーションでニッカウィスキーの第三代マスターブレンダーの佐藤茂生さんの貴重なウィスキーセミナーが開かれました。
佐藤茂生さんのお話、とても穏やかな語りで、ウィスキーのことをいろいろなエピソードをまじえてわかりやすく教えていただきました。
内容
1、ウィスキーの特徴とブレンド
・ウィスキーってどんなお酒?
・ウィスキーの特徴
・ブレンドの役割
2、日本のウィスキー
・2001年ベストオブベスト
3、竹鶴政孝とリタ夫人
・凛として
4、ブレンダーとして
5、テースティング
6、フリートーク
あっという間の密度の濃い2時間となりました。
テーブルには5種類のキーモルト、サンプルシートには佐藤茂生さんの解説
竹鶴さんの人柄やエピソード、リタ夫人の話など、興味深い話。竹鶴政孝さん1969年ニューヨークタイムズの取材を受けたとき、「バーボンはウィスキーではない」という話をしたそうで、物事をずばっと言うがいやみを感じさせない人柄であったことが伝わりました。ニッカの竹鶴スピリットは現代にも伝わっていることが感じられました。また、リタ夫人昭和36年に63歳でなくなるまでスコットランドに戻りたいとは一度も言わなかったそうです。自ら、漬け物や塩から、梅干しなどをつくって日本を理解しようと努力されたことが感じられました。
佐藤茂生さんスコッチに対抗するために、年数表示や古い原酒のため込み、品質向上と多様性を追求したことがお話をきいてわかりました。印象に残るウィスキーに1996年のシングルモルト余市10年ヘビーピートタイプのプロ好みのウィスキー、1000円以下ノンピートモルトのブラックニッカクリアブレンドは家でよく呑むウィスキーだそうです。カスク10年、キーモルトシリーズなどは世界に冠たるを具現化したウィスキーということがわかりました。
・嗅覚を維持するためにの質問に
「かきくけこ」はとらないということで、かはカレーライス、きは喫煙、くはにんにくなどにおいの強いもの、けは化粧品や整髪料、こは珈琲
・マスターブレンダーにどうすればなれるかの質問に
天性は5%、努力が95%、あとは縁が大切というお話でした。マスターブレンダーは趣味でウィスキーをつくるのではなく、ウィスキーの感応力が大切で、ノーと言わない信条が求められる。いろいろお話をきいて、世界に冠たるものをつくりあげる大変さが伝わりました。
写真のようなグラスを持ち、香りを嗅ぐしぐさがとても印象的。きっと何百万回もこの姿をしたことを感じます。
キーモルト、それぞれ香りや味わいが違い何度もにおいをかいでしまいました。
1シェリー&スィート とても香ばしく甘みがうまい。食前にもあいそう
2ウッティ&バニリック とてもこくのある味わい
3ウッテイ&メロー とてもフローラル水で割ると心地良いこくとうまみで飲み口良い
4フルーティ&リッチ 果実香の香りが心地良い
5ぴーてぃ&ソルティ とても柔らかい深い味わい 塩分ではなく塩の香りを感じる。
世界最高の余市10年シングルカスクの話にも、樽はホワイトオークの新樽を中を焼いてテストしていたものを使うなど、興味深い話がいろいろ
貴重な佐藤茂生さんのウィスキーセミナー、またお話を聞く機会があることを願いながらお写真を撮らせてもらいました。家呑みのウィスキーはしばらく1:2で冷たい水で割った18度くらいのブラックニッカのクリアブレンドになりそうです。
bar Diversion(ディヴァーション)
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