6月の最後。僕は丸一か月を費やしてバイト先の目星を一件だけつけていた。
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6月の最後。僕は丸一か月を費やしてバイト先の目星を一件だけつけていた。
一件だけ見つけた。というよりも『この一件しかない事を一か月かけて確認して歩いた』という方が正しかった。
そのお店がバイト募集しているのかさえ定かではなかった。 電話で問い合わせる。
実は今から思えば、清澄白河の庭園で疲れ果て途方に暮れていたある日、池からスッポンが近づいて顔を覗かせた。
そして初めて見た動く生スッポンは円(つぶら)な瞳でこう訴えた。
『私はスッポン。一度噛んだら決して離さない。(アルバイトも)その根性が大切なの。そう、私はスッポン。。。』
なぜかスッポンの声が銀河鉄道999のメーテルだった。
そうかなるほど!毎朝、仏壇を拝んだ結果としてご先祖様はスッポンを遣いに寄越したのだ。
まだお盆前なのに、なんてセンスのあるご先祖様。
僕も死んだら見習おう。