なぜ蛇が蔵の守り神となったのか? その謎を調べに僕は(3カ月前に)山口県の岩国へ向かっていた。
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なぜ蛇が蔵の守り神となったのか? その謎を調べに僕は(3カ月前に)山口県の岩国へ向かっていた。
岩国市は、言わずと知れた『白蛇の聖地』 白蛇神社や、白ヘビの館が人気の観光スポットにもなっている。
僕の生まれた小林家も130年前、酒蔵の敷地に白蛇を祀る社を建立し、いわば『蔵の守り神』として大切にしてきた。
さて、江戸時代より全国の米問屋や酒蔵では米俵をかじる鼠(ねずみ)に手を焼いてきた歴史がある。
欧州のワイナリーで樽をかじる鼠を退治するのは猫かも知れないが、日本でその役目を果たすとすれば、それは蛇なのである。
特に醸造蔵の場合、お酒を発酵、貯蔵する木桶をもかじる鼠は、いわば蔵当主の天敵だったのである。
鼠を捕食する蛇は水田に雨をもたらす水神であり、弁財天の遣いでもある事から全国で崇められている。
ちなみに、蛇の天敵はタヌキやイノシシであるから間違っても酒蔵にタヌキやイノシシを入れてはならない。
万一入ってしまったら更にその天敵であるオオカミを蔵に投入せねばならないし、その場合には間違っても酒蔵にオオカミの天敵であるトラを入れてはならないのである。
考えたらトラが蔵に入った時点で、いよいよ人間の命も危ないのであった。