栗山の小林酒造で造り酒屋をもっと知る会、北の錦の新酒と驚きの茨城ランチ2011年2月26日
札幌駅から中央バスにのって1時間少し、札幌からの小旅行にはとてもちょうど良い距離の栗山でおりました。バス内はこの日開かれている夕張映画祭のためか満席です。栗山での目的は2011年2月26日に実施された117回目の造り酒屋をもっと知る会です。この日は、大雪の被害に見舞われている小林酒造の新酒も気になりますが、専務の小林精志さんが訪れた茨城のお話も楽しみです。
雪の降る寒い日でした、やはり札幌より雪が多く感じます。この日は古い友人とこちらで合流となりました。
会が始まるまで、お土産に買うお酒をどれにしようかと試飲コーナーへ、栗山方面にいったらぜひ、立ち寄りたいお酒好きにはたまらない光景が広がります。
限定の普段購入できないお酒がたくさん並んでいます。今話題の想定外雪冷酒もたくさん並んでいます。
今日の会では始めに、レンガ倉庫に案内されました。入り口から倉庫をのぞくと痛々しい光景が広がります。参加者からは思わず「うわー」という声がもれました。壁に大きな亀裂が広がり今にも崩れ落ちそうです。よくみると、壁からは外の光がもれています。
倉庫内には大量の新酒が保管されていたそうです。危険を覚悟で、小林酒造のお酒を蔵人達が数人で専務も知らない間に運び出したという話を聞いてじーんとくるものがありました。
レンガ倉庫をを出るとわれもの注意の段ボールが積み上げられていました。おいしいお酒が飲めるのもいろいろな人の努力の上になりたつことと改めて感じます。
絵になるこのような光景が、なくなるのは北海道の文化的損失だと思いました。文化的な価値の高い建造物を維持するだけでとんでもない資金がかかるということで、何か文化財保護の多くの支援が必要と感じます。
事務所の２Fでまずは、２つの日本酒が配られました。豪華なことにコースターは酒のラベルです。
2杯のお酒は６０％精米の北のロマンと５５％精米の北の錦でした。私は北のロマンがおいしく感じました。小林精志さんの熱い話に参加者引き込まれます。
発酵についてのお話のあと、発酵タンクを見学に移動します。途中の雪の塊をみて、このような雪が蔵にあたったら大変なことになると思いました。
蔵に入ると独特な空気感が感じられます。布の洗浄は大切な処理だそうで、何とも、酒蔵にきたという風景でした。
タンクの後ろの壁が壊れて大きな穴があき光とともに雪が入り込んでいます。ほんとうに雪冷酒そのものと見て感じました。雪で押し出されたようにタンクは前に出ています。こんな大変な状況ですが、さすが小林精志さんたんたんと説明が続きます。タンクの蔵付きではなくぐらつきという言葉に思わず笑いが巻き起こります。
新築された、最新の麹室をみせていただきました。いい杉をふんだんに使った明るい麹室で、北の錦の方向は明るい元気なお酒というお話が印象に残りました。
今、この麹室から南杜氏といいお酒がたくさん生まれているということです。すごいお酒が生まれてくることが実感させられて期待がふくらみます。
発酵タンクの中では元気よく酵母が発酵しています。ふわふわの泡に驚きます。なんともいい香りが立ちこめています。
タンク一つ一つ、表情は違っています。小林精志さんの説明にみんな聞きいっていいます。香りもタンクで変化していて、バナナそのものの香りのタンクからどんなお酒が生まれるのかとても気になりました。
小林精志さんのお米の沼という表現がぴったりのまだ、発酵の若いタンク、神秘的な雰囲気はずっとみてて見飽きない光景です。
この日の見学時間は、搾り作業は休んでいて、残念ながら見ることはできませんでした。搾り機がずらっと並ぶ、何とも迫力のある風景です。
途中、見学しているわれわれを南杜氏が見送ってくれました。おいしいお酒を楽しみにしています。
事務所の２Fに戻ると、そこは茨城の物産市のような光景でした。干し納豆やそぼろ納豆、小林精志さんが作りたてを購入したというおかきやおかし。
豚味噌やピーナッツ味噌、ひしおなどの味噌製品や梅酒、梅干し
きくいもや豆腐の味噌漬け、なじみのない肴がたくさん並んでいます。
おかきのおいしさと、日本酒はよくあいました。
初めて食べる肴でしたが、とてもおいしいと思いました。
地元の落花生で作っているピーナッツ味噌、ピーナッツ味噌の高級品を初めて食べました。濃厚に感じます。
味噌のバラェテイが豊富でどれもおいしく、茨城の食の豊かさを感じました。
梅干しも日本酒によくあいました。食べていて茨城にいってみたくなりました。
高級なやつと書かれた干しいも、とてもおいしくさすが本場の味と感心します。
もっと高級なやつという干しいもは、なんと平らではありません、いもの形を残しています。食べると、高級なスイーツと共通するようなまったりとした自然な甘みがありました。干しいもは楽しみにしていたのですが、大満足です。
小林精志さんの説明で茨城はジャムがおいしいという話を聞いたあと、さつまいものジャムを食べてみました。確かにおいしくて、さすが造り酒屋さんはおいしいものをよくしっていると感心します。
茨城の食にみとれていましたが、やはりお楽しみは小林酒造の新酒です。まずは、話題の想定外雪冷酒をいただきます。香りが半端じゃなくよくて、さきほどの酒蔵の香りそのままです。もちろんのおいしさでおかわりをしてしましました。
これもおいしいにごり酒の新酒、北の錦の初想ひです。名前もきれいですが、白くにごった見た目にもきれいで、飲み口もよくお祝いごとに喜ばれそうです。
おいしい、北の錦の新酒を味わいながら茨城の食を堪能しました。それにしても、こんなに大量のお土産を超多忙で、調子も悪い中、選んで買ってきていただいて、小林精志さんには頭が下がります。おかきもおいしくお酒がすすみました。
茨城のお土産にあった、百年梅酒は、梅のエキスがしっかりとしたなんともおいしい梅酒でした。神社の梅酒コンテストで金賞を受賞したお酒だそうで、梅そのものを感じる梅酒を肴に、日本酒がすすみます。
訪れた日の2日後に瓶詰めが始まるという話でした。愛の奇蹟というとてもインパクトのあるネーミングです。ホワイトディや記念日に家飲みによさそうです。雪冷酒ということで味も楽しみなお酒です。
ここで冬花火が登場しました。今年の冬花火、お話では昨年よりも５０％おいしいという話です。さっそくいただいてみましたが、確かにおいしく感じました。お店でみかけたらぜひ味わいたい日本酒です。
おいしい新酒がそろっていますが、北の錦のあらばしり、飲んでいても、いいお酒とすぐわかる飲み口の良い日本酒でした。ついついおかわりしてしまいます。
ここで新たに鍋が登場です。おかゆです。さきほどみた、発酵タンクの、沼を思い出すような神秘的な光景です。さすが、造り酒屋をもっと知る会、ただのおかゆではありません。なんと６０％精米の酒米を使ったおかゆです。
今までに食べたことのない、おかゆの味で、上品な美味しさです。おいしく作っていただきありがとうございました。
超高級な干しいも、とてもおいしくて思わず写真をぱちりと撮りました。干しいもと日本酒があうことが初めてわかりました。
この日の造り酒屋を知る会ではさらに、お土産まであたりました。家で干しいもを肴に北の錦をいただこうと思いました。
なんと、抱擁も登場しました。なかなか、飲食店さんでみかけることのないレアな日本酒ですが、しっかりとした味がうまい日本酒で、もっとお店において欲しいと思いました。
抱擁、あらばしり、初想ひ、想定外、冬花火とどれもおいしい素晴らしいお酒と思いました。
その後も、小林精志さんの日本酒にまつわる楽しいお話が続いて、参加者を楽しませてくれました。いつもながら、楽しい会をありがとうございました。
栗山に行くたびに、貴重な歴史遺産の中で作られる丁寧良いお酒ということがよくわかります。多くの人が栗山を訪れて、北の錦のよさを感じてもらえるといいなと思いました。この素晴らしい景色がいつまでもみられることを願いながら、帰りに売店で限定酒と酒粕をお土産に買って家路につきました。
小林酒造 造り酒屋をもっと知る会
栗山町錦３丁目１０９番地
0123-72-1001