栗山の小林酒造、2012年6月30日（土）第129回「お醤油と日本酒のマリアージュ」お酒を楽しむフルコース
2012年６月３０日（土）第129回の造り酒屋をもっと知る会「お醤油と日本酒のマリアージュ」どんな世界が広がるのか楽しみに、札幌からバスにのって70分の栗山へ
北の錦記念感で試飲しながら、会の始まるのを待ちます。
小林精志さんが登場して会が始まりました。精志さん前日夜は、定年退職の蔵人さんお二人のお祝いで、覚えてないくらい飲んだ後だそうです。かなり暑い日でした。
蔵に向かう途中、家から塀の外に飛び出ている松や栗などいろいろな木の枝をみて、蔵人たちは香りの違いを歩いている時も感じるという話を聞いて真面目なものづくりの姿勢を感じます。
蔵の上の資材置き場をみせてもらいました。床板がみしみしと音をたてています。
床をみるとはめいたの下には灯りがもれていました。歴史を感じる古い蔵です。
この時期発酵タンクはきれいに洗われて休んでいました。蔵つきの酵母の話など楽しい説明が続きます。
古い蔵ですが、製造レイアウトを変えたりといろいろ変化があるようです。
案内されたのは、巨大な冷蔵庫、中は-5度で大吟醸酒など大切に寝かされていました。
たくさんのタンクが並んでいます。少し中にいるだけで、すっかりと冷えました。
次に向かったのは文化財になっている小林家のお庭に案内されました。庭にある貴重な龍神様をお参りさせてもらうことになりました。
お庭に入るととても立派な米三郎象、札幌に多くの彫刻を残している本郷新さんの彫刻があります。
庭に行く途中、今年冬の空知地方の大雪で文化財のガラスも大きな被害を受けています。
昔のガラス、6角の網目がはいっていて、手の込んだ技術を感じます。
古くに補修されたガラス、花形に切って補修している様子が、懐かしい記憶につながります。
知る会参加者、自然林の中のような庭を精志さんの先導で奥へと進んでいきます。
到着したのは龍神様、100年以上前から毎月かかさず、神主さんが来てお参りをしているという、白い蛇をお祀りしたお社です。参加者みんなでお参りしました。
横をみると煉瓦作りの蔵、巨木が並ぶ歴史を感じる自然のままのガーデン、このまま、今年十勝で行われる北海道ガーデンショーで展示してあったら大きな反響がおきそうな風景
ずっとみていたいすてきな風景！
小林家のえんがわに座って精志さんがとりだしたのは、大徳寺納豆、さきほど入った巨大冷蔵庫で冷えたお酒とともにいただきました。今日のテーマの醤油は歴史的な大徳寺納豆から始まりました。
何とも贅沢な、おかん石の上に、お酒と大徳寺納豆。塩辛さが暑くて体力が落ちた身体にちょうどよくて、お酒もすすむ味わい。食は記憶を呼び覚ますようで、大徳寺納豆７年前にいただいたことを思い出しました。http://www.sapporoi.net/dounai/kobayasisyuzou.htm 人生2度目の味わい
お燗石、ちょうど徳利のつかる深さに掘られた部分に熱した石をいれてお燗するという何とも贅沢な
趣向すてきなお庭をみながら、よく冷えたお酒をいただきます。
いよいよお醤油と日本酒のマリアージュ まず目に入ったのは、「純米人間風車」という何ともインパクトを感じるお酒のラベル、できたばかりのラベル。これからお店に並ぶのが楽しみなお酒。
純米大吟醸と和歌山湯浅町の角長
まずは参加者に和歌山の角長、吉野杉の木桶で作った古い蔵のお醤油とともに、純米大吟醸
精志さんが最初に用意してくれたのは、厚くひいた鹿児島県枕崎の最高級の本枯節をよく炒ってから最後に、高級海苔をちらして用意してくれました。みるからにおいしそう
お豆腐にかけていただきます。二品目をいただきます。このまま炒った鰹節だけでもお酒がすすみます。
目の前のお醤油をついつい忘れていました。そのままでもおいしいのですが、お豆腐にかけるとさらにお醤油の香りの良さとうまみがおいしさを増してくれます。
三品目にとりだしたタッパには、今日の二日酔いの朝、がんばって準備してくれたねぎ醤油。
ネギ醤油と合わすのは、甘いミニトマト
小林家の食卓にいつも並んでいるという炒った桜エビ、桜エビもブレンドしてこだわりが随所にあります。この桜エビの自然の塩味だけで、お酒がすすみ。家に帰ってさっそく、エビを買ってきてお酒のつまみや朝ご飯に食べました。
タマネギとねぎがたっぷりの中に愛知県碧南市の小麦で作ったしろたまり。この薬味だけでやはりお酒がすすみます。
この日の造り酒屋を知る会、珍しいことにお刺身も登場です。このまま和食のお店で出てきそうな一品、冬花火をいただきました。
サーモンにネギ醤油をのせていただきます。お酒がすすむおいしさ
この日、一番のお気に入りとなったのは、何とも夏らしい一品、甘いミニトマトに黒こしょうをかけて、ネギ醤油をのせて、炒った桜エビをふりかけて一品、冬花火がすすみます。
机には醤油がいろいろ並んでいます。普段、塩代わりに炒った桜エビ、油代わりに炒ったごまをとるという精志さん、この一ヶ月、普段あまりとらない、お醤油をいろいろ試していて、なんと体重が６K減ったということです。さすが、いつもながら感心するのは精志さんの食に対する真面目な探求心の姿勢
次から次へと、楽しいお話が続いてきます。
新たな薬味が登場しました。
香川県の三年熟成のかめびし醤油に漬けた、きざんだ昆布の薬味
たたいて砕いたミックスナッツを炒ります。このままでもお酒がすすみそう
さすが、食は組み合わせと感じます。限定品のR６０に、鯛の刺身と炒ったナッツ昆布醤油のマリアージュ。この日の知る会はまるで、豪華なコース料理のようです。
脇田杜氏の残した古酒を、若い南杜氏がブレンドした人生の先輩に敬意を表しているようなすごいお酒。
鯛の上に昆布醤油とナッツ、何とも豪華な味わい、今度家でためしてみたいと思いました。
R６０箱の絵が懐かしさが一杯、贈答用に喜ばれそう。
今日の知る会、さらにお刺身が登場、今度はかつおのたたきです。
石川県金沢のひしほ醤油にしょうがとにんにくをつけ込んだ自家製ニンニク醤油とたくさんの薬味
小林精志さんのかつおのたたき、野菜やだいこんおろしなどとてもヘルシーでおいしい一品
かつおのたたきにいただいたのは燗のおいしいR６０、おいしさが燗につけてアップします。
このあと、精志さん作り出したのは普段お料理の〆でいただくお吸い物、この日はお酒の肴にお吸い物をいただけるということで、みんな楽しみに待ちます。
豪華にとったおいしいだし汁に、白醤油で味をととのえます。
真剣な表情で、味を確かめて、いよいよ完成です。
油揚げと菜の入った汁
食べるときに、炒った海老をふりかけていただきます。
飲むと、さすがにこれは「おいしい」と自然に言ってしまう。きちんとした味わい。R６０の燗酒もすすみました。ついつい、また、飲みたいという後をひくおいしさ。
なんとこの日の知る会デザートまであります。
アイスには三年熟成のかめびし醤油とはちみつ、普通のアイスが高級デザートの味わい
このあと、お醤油のお土産争奪大じゃんけん大会
じゃんけんで負けた人にもうれしいことに、栗山監督のおちょこがおみやげにもらえました。さっそくもらったおちょこでR６０の燗酒をいただきます。
最高級の鰹節、道具もそのまま、博物館に展示されそうな風格
小林家の食卓にいつもあるという炒ったごまや海老それぞれ、油や塩の替わりに使われるという何ともヘルシーな生活がうかがわれます。
この日精志さんに教えてもらった、厚くきった鰹節をかんで出汁が口の中に広がったところで日本酒を飲むという飲み方くせになりそうです。
この日のマリアージュ、お酒と共にフルコースの味わいでした。
会が終わってしばらくして、南杜氏が登場、枕崎のかつおをみつけて、さっそく挽き始めました。
長時間の準備ご苦労様でした。楽しい会ありがとうございました。
帰りに錦水庵、記念館と定番のコースを巡って栗山駅へと向かいました。
129回の造り酒屋を知る会、日本酒をいかに美味しく飲むかという素晴らしい工夫を感じた貴重な会でした。 ふと思ったのは酒蔵と醤油蔵発酵という共通項目はあるのですが、やはり相いれない部分がいろいろあるんではと感じました。
北の錦記念館 北の錦小林酒造のホームページ
栗山町錦3丁目109番地
小林酒造(株) TEL 0123-72-1001
土曜・祝祭日の『北の錦 記念館』へのお問い合せは電話０９０－８６３２－６５３７まで
11月～３月末 10:00～16:00（冬期）
4月～10月末 10:00～17:00（夏期）
年末年始はお休み