そのパンは暖炉の香りがした。かすかにスパイスっぽくちょっと焦げたにおい。なんだか懐かしくなる香り。持ち帰りの袋を開けたら部屋の中に温かさが広がっていく。だから少しばかり遠い道のりを歩いて買いに行く。
cafeスロープは円山西町の山麓通りをかなり入ったあたりにある。スロープという名の通り建物の入り口まで急な坂が続く。そして、ちょっと息が切れたあたりで可愛いパンたちに出会う。
そうだ。持ち帰りもいいけれど、古民家をcafeに仕立て直した階上でゆっくりと時間を楽しむのもいい。メニューも楽しい。あの香りの素敵なパンは札幌軟石の窯で薪を使って焼き上げるのだそうだ。
ピザトースト。紅茶はたっぷり。しかし、ここの真骨頂はお汁粉ではないかと思う。以前あんトーストを食べたときにあんこのうまさにときめいた。
ほらね。やっぱりあたり。お汁粉好きの気持ちがわかっている。白玉におもちも入っている。けっこうおなかも満足できる。ぼーっとできる贅沢な時間が過ぎていく。
cafeスロープ 札幌市中央区円山西町7丁目7-7
金土日月営業